加温・加湿機能付きオゾン/UV照射で、ラジカル反応を促進

オゾンと紫外線を利用した研究用の表面処理装置

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用途例

①細胞培養器材用表面改質

②マウス多能性幹細胞のフィーダーフリー培養

③多能性幹細胞培養における接着基質削減

 

 

オゾン/UV表面処理装置 アプリケーション図 有機層エッチングプロセス 材料漏れ性制御プロセス 除菌プロセス

特長

本製品は、放電式オゾン発生器、オゾン発生UVランプ、オゾン分解器等から構成され、予熱・加湿用ヒータにより温度の影響を受けずに安定した条件でオゾン/UV処理が可能です。

1. 放電式オゾン発生器 (ON/OFF設定が可能です)

酸素パージ時に放電式オゾン発生器を作動させ、短時間でオゾン濃度を高めます。

2. オゾン発生UVランプ (オゾンレスランプも使用可能です)

254nm以外に185nmの紫外線も放射し、オゾンを生成します。

3. 予熱用ヒータ

低温時における紫外線ランプの性能低下を防止し、光量及び反応性を安定させます。

4. 加湿用ヒータ

シャーレに入れた水を加熱し、槽内の湿度を高め、オゾン/UVの効果を促進します。

5. オゾン分解器

処理後、槽内に残留したオゾンは、装置内蔵の分解器により安全に処理されます。

※槽内のオゾンは、内蔵されているオゾン分解器により分解しますので安全です。

構造

オゾン/UV表面処理装置 構造図

本装置のご使用には、別途下記が必要です。 1.酸素ボンベ(減圧弁) 2.窒素ボンベ(減圧弁) 3.配管/継手類 など

動作フロー

オゾン/UV表面処理装置 動作フロー

製品仕様

品名Radical Vapor Reactor 加温・加湿機能付きオゾン/UV表面処理装置(細胞アレイヤ-)
型式EKBIO -1100
定格AC100V 50Hz/60Hz(手動切換え)
消費電力270W
使用温度5〜35℃(結露がないこと)
槽内寸法W240× H170 × D175 (mm)
外形寸法W615 × H310× D400 (mm)
質量約27kg
構成オゾン発生ランプ(6W×2本)、放電式オゾン発生器、オゾン分解器、予熱用ヒータ(壁面) 加湿用ヒータ(底面)
付属品ステンレスシャーレ(加湿用)、棚板(2枚)
消耗品紫外線ランプ(グローランプ)/ オゾン分解器 / ファン
オプションPEG基板 / ステンレス製マスク / 流量計(酸素、窒素用)

ご使用上の注意

  1. 本装置は、オゾン及びUVを使用します。天然ゴム、ニトリルゴムなど、オゾン,UVにより劣化するものは処理 できません。予めご確認の上、ご使用ください。
  2. 本装置は研究用途として製作しておりますので、医療用途には使用しないでください。
  3. 火災の原因となりますので、有機溶剤など可燃性のものは槽内に入れないでください。 また、塩素系薬剤をはじめとする腐食性ガスなども装置の腐食・故障の原因となりますのでご使用にならないで ください。
  4. ヒ-タは、予熱のために設置しております。常時一定の温度に保つ機能は有しておりません。 紫外線ランプの発熱などにより設定温度値と異なる場合があります。
  5. ヒ-タの設置により、装置内部の壁面及び底面は加熱により高温となりますので、手を触れたり、処理対象物が 直接触れないようにご注意ください。(棚板は必ずご使用ください)
  6. オゾンは酸化性物質で吸引すると呼吸器に影響が出る可能性がございます。オゾンの臭気を感じた際には使用をやめ、 点検をご依頼ください。また、1年に回程度、定期的な点検もご依頼ください。

装置の外観

  • オゾン/UV表面処理装置(型式 :EKBIO-1100)オゾン/UV表面処理装置(型式 :EKBIO-1100)
  • 処理槽内部処理槽内部
  • PEG基板PEG基板
  • ステンレス製マスクステンレス製マスク

細胞アレイ基板の製作

ほ乳類の細胞は足場タンパクに接着することで、その機能を維持しています。細胞のアレイ化には、基板上に細胞を固定化する必要があり、細胞が接着する領域と接着しない領域の制御を行うための技術が必要です。 そこでオゾン及び紫外線(UV)を利用し、細胞アレイ基板表面の処理を行い、基板上において細胞接着性タンパクが接着する領域と接着しない領域の制御し、細胞やタンパク質のアレイ化を行うための技術開発を行い、大学等、研究機関向けの実験装置として製品化いたしました。 別売のPEG基板(ガラス表面にポリエチレングリコールを化学修飾したガラス基板)に任意のデザインのマスクを載せ、オゾン/UV処理することで細胞接着性タンパクの接着領域を制御できます。 これにより従来、高額な装置を利用してアレイ化を行っておりましたが、研究室レベルで低コストの細胞アレイ製作が可能となりました。

オゾン/UVによるPEG基板表面処理のメカニズム

オゾン/UVによるPEG基板表面処理のメカニズム

細胞アレイ基板の製作 (装置の構成)

細胞アレイ基板の製作

各種細胞のアレイ化

オゾン/UV処理したPEG基板のマスクを外し、細胞接着性タンパク(フィブロネクチン等)を吸着した後、細胞を播種し、接着制御された各種細胞の様子を示します。 使用するステンレスマスクのパターン通りに細胞の接着領域を制御でき、孔径を変化させることで接着細胞数も制御可能です。

各種細胞のアレイ化

接着細胞のエステラーゼ活性評価

接着領域を制御された細胞が生存していることを確認するために、カルセイン-AM を用いて 細胞の基本的機能であるエステラーゼ活性を観察しました。

オゾン/UV表面処理装置

細胞は、細胞活性を維持したままアレイ化されていることが確認できました。

オゾン/UV処理による濡れ性制御の例を示します。 (対象とする材質・清浄度等により親水化の効果は異なります)

純チタンの親水化処理

純チタン板を30分間オゾン/UV処理し、接触角の変化を測定した結果です。

純チタンの親水化処理

純チタンの親水化処理

スチロールシャーレの親水化処理

市販のスチロールシャーレを20分間 、オゾン/UV処理した例を示します。

純チタンの親水化処理

オゾンや紫外線に抵抗性を示す耐熱性芽胞菌である枯草菌芽胞(B.subtilis spore)の菌液を寒天 培地上に塗抹し、本装置で1分間 オゾン/UV処理しました。 (トリプトソイ寒天培地を重層し、35℃、48時間培養後の生菌数)  

純チタンの親水化処理

オゾンや紫外線に抵抗性を持つ枯草菌芽胞が除菌されていることから、多くの細菌類が除菌可能であると推定され、実験機材の表面に付着している微生物の簡易的な除菌装置として利用可能です。 (但し、付着物の形状、有機物質など除菌効果の阻害物質が共存すると効果が得られない場合がありますので、必ず事前に効果をご確認ください)

 

論文・出典元

≪RVR装置の原理と応用技術の解説(邦文)≫
高辻義行、山崎亮太、春山哲也、活性酸素種の高濃度生成・曝露を実現した新規反応プロセスとそのプロセス装置、ケミカルエンジニアリング、2017年7月号、467-471

≪RVR装置における活性酸素種の生成機構に関する学術論文≫
Keishi Matsuo, Yoshiyuki Takatsuji, Masahiro Kohno, Toshiaki Kamachi, Hideo Nakata, and Tetsuya Haruyama, Dispersed-phase interfaces between mist water particles and oxygen plasma efficiently produce singlet oxygen (1O2) and hydroxyl radical (·OH), Electrochemistry, 83(9), 721-724 (2015)
doi: https://dx.doi.org/10.5796/electrochemistry.83.721

≪RVR装置による材料表面の清浄化・親水化に関する技術論文≫
Ryota YAMASAKI, Yoshiyuki TAKATSUJI, Masayuki MORIMOTO, Tatsuya SAKAKURA, Keishi MATSUO, and Tetsuya HARUYAMA,Green Surface Cleaning in a Radical Vapor Reactor to Remove Organic Fouling on a Substrate Electrochemistry, 86(6), 355–362 (2018)
 https://doi.org/10.5796/electrochemistry.18-00036

≪RVR装置の殺菌応用に関する学術論文≫
Yoshiyuki Takatsujia, Shoko Ishikawa, Tetsuya Haruyama, Efficient sterilization using reactive oxygen species generated by a radical vapor reactor. Process Biochemistry, 54, 140-143 (2017) DOI:10.1016/j.procbio.2017.01.002

≪RVR装置によるHOPG(高配向性熱分解グラファイト)表面改質に関する学術論文≫
Ryota Yamasaki, Yoshiyuki Takatsuji, Masayuki Morimoto, Shoko Ishikawa, Takuya Fujinami and Tetsuya Haruyama, Sustainable process for functional group introduction onto HOPG by exposing ·OH and 1O2 using a radical vapor reactor (RVR) without any chemical reagent. Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects, 522, 328-334 (2017)

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