オゾン豆知識

オゾンにまつわるエピソードや雑学ネタまで

2015年10月30日
から ozone
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半導体式について

今回はオゾンの測定方法の中で半導体式についてご紹介します。

半導体式のオゾンモニタは、半導体薄膜の表面にオゾンが接触すると、オゾンの酸化力によって半導体の電子が拘束され電気抵抗が変化します。この抵抗値がオゾン濃度と相関があるため、抵抗値の変化を利用してオゾンガスの検知をします。

紫外線吸収式は光を測定基準としているため感度変化が小さいのに対し、半導体式は経年変化と環境により感度が変わることがあり、数ヶ月から半年に1回感度調整が必要になります。そのため濃度変化を相対的に監視する検知器として販売されていることが多いです。

メリットとしては紫外線吸収法に比べ安価、持ち運びが容易といったことが挙げられます。

測定方法、機種の選定など御気軽にご相談下さい。

 

2015年9月30日
から EJ
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室内におけるオゾン発生源について

屋外におけるオゾンの大部分は、自動車や工場などからの排気ガスに含まれる炭化水素や窒素酸化物に紫外線が照射されたときの光化学反応によって生じ

光化学オキシダントの70~90%はオゾンと言われています。

対して、室内でもオゾンを発生させてしまう機器があります。

そこで今回は室内におけるオゾン発生源について紹介します。

 

装置 原理 オゾン濃度 分野
空気清浄器 コロナ放電方式 数ppm 業務・家庭
複写機・プリンター コロナ放電 数~数十ppm 業務・家庭
溶接機 紫外線・アーク放電 数ppm 産業

 


空気中で拡散することで人体に影響はない濃度になりますが、使用時は換気を十分に行いましょう。

職場や家庭など身近な機器からもオゾンを発生させる可能性はあります。

 

2015年9月1日
から ozone
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オゾンの安定性について

オゾンは不安定で残留性がないと言われていますが、実際オゾンの半減期は大気中で数時間、水中で数分と言われています。

しかし、ここで注意しなければいけないのが、オゾン濃度、不純物の存在、温度、圧力等によって分解速度が左右されます。

また、水中のオゾンの場合は比較的短時間で分解して酸素になるのですが、分解速度はpHの影響を受けます。酸性側では安定的であるのに対しアルカリ性側では分解が速くなってしまいます。

オゾンを使用する場合このような条件を考慮して素早く測定する必要があり、正確に測定することで期待する効果が得られます。

 

まずはお気軽にご相談ください。

 

2015年8月24日
から EJ
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紫外線とオゾン

太陽光は紫外線と可視光線と赤外線に分けることができます。人間が見ることが出来る可視光線の波長は最大で360nm~760nmと言われています。

紫外線の中でも254nm付近の光はオゾンを分解することで有名です。弊社のオゾンモニタもこの性質を利用して濃度を測定しています。更に波長の短い185nm付近の光は酸素を反応させ、オゾンを生成する働きがあります。

太陽光は紫外線から赤外線まで広い波長を持っていますので、光の強い夏場はオゾンを含むオキシダント濃度も高くなる傾向にあります。

 

紫外線 可視光線 赤外線
360~400nm以下 360~760nm 700~760nm以上

2015年7月30日
から ozone
高度浄水処理における処理方法 はコメントを受け付けていません

高度浄水処理における処理方法

通常オゾンは活性炭との組み合わせで使われているのですが、その活性炭は主に吸着作用を利用する粒状活性炭(GAC)と微生物による有機物等の分解作用+活性炭の吸着作用を利用する粒状活性炭(BAC)があります。

それぞれの特徴について説明いたします。

 

・GAC

…鉄・マンガン、異臭味、トリハロメタン前駆物質、農薬を除去できます。

前塩素注入で生成するトリハロメタンがGACに吸着されるため寿命は短くなります。

 

・BAC

…BAC層内の吸着と生物分解の複合効果によってGACよりも処理性が高く、アンモニア性窒素も除去が可能です。

また、前塩素を注入しないため寿命が比較的長い。

 

・オゾン処理+GAC

…GACのみに比べオゾン処理によって有機物を低分子化させるため寿命が長くなります。

 

・オゾン処理+BAC

… BACのみに比べオゾン処理によって寿命が長くなります。

また、オゾン発生による溶存酸素量の増加によって微生物を活性化させ分解効率が向上します。

 

2015年7月30日
から ozone
水滴の予防について はコメントを受け付けていません

オゾンガスの測定において水滴は、測定の障害だけでなくトラブルの原因となります。
紫外線の透過量を見るオゾンモニタの場合は、水滴が測定部(試料セル内)で紫外線を反射させてしまうため、紫外線透過量が減り、指示値が高くなり、安定しなくなります。
更に試料セル内部が汚れてしまうため、分解して試料セルを洗浄する必要があります。

ゼロガス生成器を内蔵している機種の場合、生成器内に水が浸入すると、オゾンを除外できなくなります。
その場合、ゼロガス中にオゾンが含まれてしまうため、ゼロ点が浮き指示値が低くなり、最悪の場合はゼロになります。

このようなトラブルを予防する為にも、高温高湿の試料ガスを測る場合は水滴がモニタに入らないように、除湿器やウォータートラップをモニタの前に設置することを推奨致します。
万が一水滴がモニタに入った場合は、応急処置として乾燥エアーを流し、乾かすことが有効です。
それでも測定に支障が出る場合は、メンテナンスを行って下さい。

2015年6月3日
から EJ
オゾンガス濃度の単位換算 はコメントを受け付けていません

オゾンガス濃度の単位換算

オゾンガスは様々な単位で表記されます。

その中でも、一般的な単位であるppmとg/mの単位換算に関して説明します。

オゾン 1molは 48gです。

1molはどんな気体でも標準状態(0℃・1013hPa)では22.41Lと決められています。

※いずれも正確な値は異なりますが、ここでは便宜上わかりやすい数字に省略しています。

 

従って、

1g/m = 1/48mol/m = 2.083×10 mol/m となります。

2.083×10 mol/m =2.083×10×22.41L/m

=0.497 L/m

1ppm = 1cm/m = 0.001L/m であることから

1g/m = 467ppm

 

上記は0℃・101.3kPaでの換算ですが、20℃・101.3kPaで換算しますと、

22.41×293/273 = 24.05L に容積が変わります。

 

従って、

2.083×10mol/m = 2.083×10×24.05L/m

= 0.501ppm

1g/m = 約500ppm となります。

 

まず、簡単に計算する場合は1g/m = 500ppmを使ってみてはいかがでしょうか。

 

2015年4月2日
から EJ
圧力補正が必要なケース・不要なケース はコメントを受け付けていません

圧力補正が必要なケース・不要なケース

ガスのオゾン濃度を測定する場合、圧力に注意する必要があります。
圧力の高い状態のまま測定すると、密度が濃くなる為、濃度も高く表示されてしまうからです。

EG-3000A、PG-620HAはOUT側が大気開放で使用します。
測定部(セル)の前にある流量計のバルブで圧力が落ちる為、通常圧力補正の必要がありません。
ただしモニタのOUT側を大気開放できずに圧力が掛かる場合は、圧力補正が必要になります。

それに対しインライン型のEG-600はオゾン発生器出口の配管に組み込むイメージで使用する為、
一般的には圧力が掛かった状況で使用することが多いです。
その為、圧力補正機能をつけて使用して頂いています。

どのような測定をするかによって、使用するべきモニタ周辺機器や測定フローは変わってきます。
まずは御気軽にご相談下さい。適切なオゾンモニタとフローをご選定させて頂きます。

2015年2月23日
から EJ
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溶存オゾン測定と泡

溶存オゾンを測る場合、泡は阻害要因になります。
特にオゾンがある場合と無い場合の紫外線の透過量の比を基に
計算する紫外線吸収式はその影響を大きく受けてしまいます。
 
紫外線は泡があると散乱してしまうだけでなく、泡内にあるオゾンにも吸収されます。その為多量の紫外線が溶存オゾンによって吸収されたと判断されてしまいます。
 
マイクロバブル等、目に見えないような小さな泡でも同様の注意が必要です。
まずは泡が入らないような場所からのサンプリングを心がけましょう。
泡の混入が避けられない場合でも、脱泡器をつけるなど処置は可能です。

2015年1月23日
から EJ
代表的な干渉成分と対策 はコメントを受け付けていません

代表的な干渉成分と対策

紫外線吸収方式のオゾンモニタでオゾン漏れを監視する場合、
オゾン以外に紫外線を吸収する物質があると
指示値に影響が出ます。
身近な物質は下記の通りです。
 

①水分
測定雰囲気中に必ず存在するものなので、
その影響は避けられません。
ただ、その影響を避けるよう、随時ゼロ点補正をすることで
正確な測定をしてます。
水分量(湿度)の急激な変化が生じた場合、
より多くの影響を受けますが、
当社のオゾンモニタではその影響を最小限にする
工夫をしております。
 

②シンナー(塗料など)
測定器の近くで塗装作業などを行うと影響がでます。
測定を続けると故障する可能性があるため、
測定を止めてください。
 

③タバコの煙
喫煙所、もしくはオゾンモニタの設置場所を変更してください。
 

④オキシダント
正確な意味では干渉成分ではありませんが、
目的と異なるものを検出するという意味では干渉成分になります。
大気中に必ずと言っていいほど存在するため、
水分と同様、その影響を避けることはできません。
外気がほとんど入り込まない室内であれば
影響はほとんどありませんが、
給排気を行っている場合は注意が必要です。
一定値以上でアラームを出すようなシステムの場合は、
影響を受けることを前提として設定値を検討してください。

この他にも条件により様々な対策がありますので、
当社にご相談ください。