オゾン豆知識

オゾンにまつわるエピソードや雑学ネタまで

2014年7月7日
から EJ
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オゾン分解器について

オゾンを利用する際に、注意すべき点はいろいろありますが、安全に直結する利用後の余剰オゾンの処理は忘れてはならない項目です。

通常オゾンを利用する場合、気相での利用と液相での利用が考えられます。
それぞれに適した処理方法があります。

■ 気相オゾンの処理方法
1.高濃度オゾンガスの場合
高い酸化力を求めてオゾンガスを利用した場合、余剰に排出されるオゾンガスも相対的に高い濃度となっているものと考えられます。
このような高濃度オゾンガスの処理には、金属触媒を用いたオゾン分解器が適しています。
NO015A/B

2.比較的低濃度のオゾンガスの場合
数百ppm以下のオゾンガスの場合には、活性炭を利用した分解器が適しています。
但し、処理されるガス量によって、オゾンが分解されるときに発する熱に注意が必要です。

■ 液相オゾンの処理方法
1.大量のオゾン水の場合
処理すべきオゾン水量が大きい場合には、曝気して気化させてから処理する方法が適しています。
EOWD

2.比較的少量のオゾン水の場合
水中では金属触媒でのオゾン分解効率が非常に悪くなってしまうため、使用することができません。液相オゾンの分解には、紫外線(波長254nm)や活性炭を使った分解器を使用します。

オゾンは自然に分解して行きますが、短時間で処理を行うためには分解器が必要となります。分解効率を左右する、処理量、温度、濃度など各要素があるため、安全・確実にオゾンを処理するためには、是非弊社へご相談ください。

2014年6月30日
から EJ
浄水場における水処理フロー はコメントを受け付けていません

浄水場における水処理フロー

オゾンは浄水場では単体で使用されません。
活性炭、特にBAC(生物活性炭)とセットになっています。
それ程この2つは相性が良いのです。
オゾンが分解したものなどを活性炭に吸着させ、
微生物に除去させます。
オゾンとBACを組み合わせることで、
トリハロメタン生成の抑制をすることが可能です。
またオゾン反応槽で余ったオゾンや含有している
アンモニア性窒素もBACで取り除くことが可能です。

現在の水処理フローは大きく3つありますがそれぞれに
メリット・デメリットがあります。
1.中間オゾン処理
 取水→沈砂池→凝集沈殿→オゾン処理→BAC→砂ろ過→消毒
  メリット:砂ろ過が最終処理となるので、
       BACの微生物漏洩防止や砂ろ過の保護に優れる
  デメリット:砂ろ過前にオゾン処理する為に、
        懸濁物質が多くなりオゾンを多く消費する

2.後オゾン処理
 取水→沈砂池→凝集沈殿→砂ろ過→オゾン処理→BAC→消毒
  メリット:ろ過処理が先に行われるため、
       懸濁物質が少なくなりオゾン使用量が少ない
       また活性炭の寿命が長い
  デメリット:最終処理がBACの為、微生物漏洩等の注意が必要

3.中間・後オゾン処理併用
 取水→沈砂池→凝集沈殿→オゾン処理1→砂ろ過
 →オゾン処理2→BAC→消毒
  メリット:二度オゾン処理を行う為、処理能力が高い
  デメリット:最終処理がBACの為、微生物漏洩等の注意が必要
        また構造が複雑になる為イニシャルコストが高い

それぞれの浄水場にあった適切な方式を選ぶことが重要です。

2014年6月27日
から EJ
浄水場でオゾンが利用される理由とは? はコメントを受け付けていません

浄水場でオゾンが利用される理由とは?

それはトリハロメタンの低減、クリプトスポリジウム(原虫)の
不活性化など複数の効果が得られるからです。
また時間が立つとオゾンは酸素に戻る性質があるので、
薬品のように人体への害を気にすることもありません。

塩素は水中の有機物と反応し、
有機塩素化合物を生成する性質があります。
この一つが有害物質であるトリハロメタンです。
オゾンには酸化力があり、有機物と反応させれば、
無害なものに変えることが出来ます。
その力を利用してトリハロメタンが生成される原因の
有機物を分解し、トリハロメタンの生成を抑制します。
またそれらを活性炭により除去することが出来るので、
浄水処理に使用されています。

2014年6月24日
から EJ
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身近なオゾン利用例vol.1 食品編

食品業界ではオゾンの除菌、脱臭効果を用いた
以下の利用方法があります。

オゾン水は
・調理器具の洗浄(除菌)
・手洗い(除菌・手が荒れにくい)
・床や、水周りの掃除(脱臭、除菌)
・野菜の洗浄(劣化を遅らせる)

オゾンガスは
・作業着への燻蒸(除菌・脱臭)
・作業部屋への燻蒸(除菌・脱臭)

これらの効果は手軽に家庭でも感じることが出来ます。
また、レストランや食品工場で毎日食品と携わる人は
ぜひ一度ご検討ください。
効果をより一層感じることが出来るはずです。
特に臭いに悩んでいる方や、
洗剤やアルコールによる肌荒れに悩んでいた方からは
喜ばれるはずです。

当社の食品関連業界展ページに実際の製品を載せていますので
ぜひこちらもご覧ください。

2014年6月16日
から EJ
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配管のウォーミングアップもお忘れなく!

実験等でこんな経験はありませんか?
ん? もっと高いはずなのに・・・
想定していたオゾン濃度よりだいぶ低い値を示したり。
最初は低かったのに何時間後には
想定していたオゾン濃度を示したり。

実はオゾンをサンプリングする配管にも原因があったりします。
オゾンの測定に適しているとされるフッ素樹脂、
ステンレス(304や316など)、またはガラス。

特に低濃度のオゾンを測定する場合は誤差を防ぐ為にも
事前のひと手間が大事になります。
小さな変化を知りたい低濃度にとって、
この誤差は命取りとなってしまいます。

では配管をどうすればいいのでしょうか。

答えは馴染ませることです。
準備運動無しで走ってもいい結果は出ないのと同じように、
配管もウォーミングアップなしでは本来の力は出せないのです。
配管内(ここでは新品の配管材)にはオゾンを吸着・分解しやすい
有機物が付着している事があります。
そのような状態でオゾンを流してしまうと
オゾンモニタに届くまでに減衰してしまうので、
オゾンガスを事前に通気して下さい。
配管の内部がオゾンに馴染んで
オゾンの減衰を抑える事ができます。

オゾンモニタのウォーミングアップも大事ですが、
配管のウォーミングアップもお忘れなく!

※配管の材質、距離、径、合わせてオゾン濃度によって
馴染みの時間は異なります。

参考までに当社が行った実験では
オゾン濃度:0.8ppm、流量:1.5L/min
配管:外径8mm、内径6mm、長さ4mのとき
フッ素樹脂:約15分 (減少率1%以内)
ステンレス:26時間 (減少率10%以内)

となりました。

2014年2月20日
から EJ
オゾンモニタの校正について はコメントを受け付けていません

オゾンモニタの校正について

ご存じの通り、オゾンは不安定な物質です。そのため、標準ガスが存在しません。オゾンを水に溶かしたオゾン水も同様です。では、標準(基準)がない物質の測定器はどのように校正されるのでしょうか。
答えは手分析です。

一般的にはヨウ素滴定法(オゾンがヨウ素を脱色する反応を利用)が使われています。ただ、分析は人が行うため、どうしても誤差が生じます。荏原実業ではこれらの問題を解決するため、機器(基準器)による校正を行っています。これにより、販売するオゾンモニタは正確な値で校正されます。基準器は、有資格者がオゾンの手分析を行った値に基づき、定期的に校正されています。

これからオゾンモニタを購入されるのであれば、この点を検討材料として比較されてはいかがでしょうか。せっかく購入しても、正確な測定ができないのであれば、無駄になってしまいます。

2013年11月6日
から EJ
オゾンのリーク監視について はコメントを受け付けていません

オゾンのリーク監視について

オゾンは酸素原子が3つあるので、酸素や窒素よりも重い物質です。

そのため、オゾン漏れ(リーク)を監視する機器を床面付近に設置される例を多く見ます。

ただ、実際には空気の流れなどにより、混ざって存在しています。

そのため、床面付近のオゾン濃度が高くなることはありません。

逆に、床面付近に設置すると粉塵の影響を受けて誤警報を出す恐れがあり、メンテナンス性も悪くなってしまいます。

設置場所の目安として、配管のフランジ等の漏れる可能性が高い所で、1~1.5mの高さが良いでしょう。

2013年8月22日
から EJ
ガルバニセル法について はコメントを受け付けていません

ガルバニセル法について

今回、ガルバ二セル法についてご紹介致します。

以前に隔膜ポーラログラフ法についてご紹介いたしましたが、測定原理はその方法とほぼ同じです。

相違点としては、使用する電極の種類、電極間に電圧をかけない点です。

具体的には、金属および卑金属を組み合わせ、それらを電解液の中に入れることでガルバニ電池が構成されます。

ガルバ二セル法では電圧をかけずに酸化還元反応が起こり、オゾン量に応じた電流が流れます。

2013年8月5日
から EJ
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隔膜ポーラログラフ法について

今回、隔膜ポーラログラフ法についてご紹介致します。

電解液中に作用電極と対電極を浸漬させ、両電極に一定の電圧をかけ酸化還元反応を行わせます。

電極の先端にガス透過性の隔膜が取り付けられており、隔膜を通過して電極内に入ったオゾン量に比例した電流が流れます。

この電流を増幅させてオゾン濃度として出力します。

紫外線吸収法に比べ、電解液、隔膜の定期的な交換が必要になりますが、着色水の測定、

残留塩素や溶存有機物の影響を受けにくい等のメリットがあります。

2013年7月22日
から EJ
検知管での測定について はコメントを受け付けていません

検知管での測定について

ガラス管にオゾンと反応して変色するインジゴと呼ばれる青藍色の染料が入っています。

使用する際にガラス管の両端をカットさせ、ガラス管内に一定量の試料ガスを通過させる事で青藍色から白色に変色します。

変色した層の先端をガラス管に付いている目盛りに合わせて読む事でオゾン濃度を求める事ができます。

また、溶存オゾンを測定する場合には、試料水をエアレーションし、気体に変換させます。

その後、溶存用の検知管を使い測定する事で溶存オゾンの測定が可能となります。